2013年5月28日火曜日

NHK あさイチの 「どう付き合う?イマドキPTA」を見て-その3-

NHK あさイチの 「どう付き合う?イマドキPTA」を見て-その3-
文中の注はボクが記入。時間の表記は放映された時間。

ストーリー:ご主人がリストラにあった吉田さん(仮称)はフルタイムで働きに出るようになった。
(この辺りから、再現フィルムが放映される。)
PTA役員の選択書類が配られたが、それは何某かの役(委員)をやるよう○印を入れる用紙で、ご丁寧に「×はありません」と書いてあった。吉田さんは「役ができない理由を手紙に書いてPTA役員に渡したが、クラス全員の前でその手紙を読まれた」(注:プライバシーの侵害。不法行為。)

(PTA役員と思われる女性が叫ぶ):
「PTAは全員参加です。いかなる理由も(役員や委員を)断る理由にはなりません!」
(吉田さんのコメント):「PTAの事情が何よりも優先させられる」

PTAを辞めたいと言ったら、学校のPTA担当教師から電話がかかってきた。それは「耳を疑うような内容(byNHK)だった。」
「うちのPTAは全員、自動加入がルール。もし辞めたら、お子さんは集団登校の班にも入れません。行事のときの記念品やプレゼントも渡せませんからね。PTAに入らないなんて親としてどうかと思いますよ。」(08:51)

吉田さん「子どもがかわいそうですよと、言い方は優しんですけど、結局、内容は脅しなんです。」「怖いというか、嫌になっちゃった。これ以上、学校に係りたくないという感じになっちゃった。」

ここで、加藤教授による解説が入る。(08:52)
PTAは任意加入の団体、法律的に参加を義務づけられているものではまったくない
・「やりたい人が やるもの」(注:できるどうかを他人が判断するのではない!)
・「あなたは役を1回はやりなさいと押し付けられるものではなく、そのようなことがあってはならない」
・現:文科省が各都道府県教育委員会に出した「PTA参考規約」が紹介される。「入会自由の精神」「(入退会に際して)いささかも強制があってはならない」
・3年前、文科省はPTAが任意団体であることを(再度)示した内容の文書を配布した。
「PTA自体が悪いわけではないけれど、時代に合わななくなってきている面がある。

(水道橋博士)「これ、全然、知らなかったですね。」

(08:57)PTAの会費負担について:非会員は会費を払ってないけど・・・どうなんだ?という趣旨の質問に対して、今野元文科省PTA担当が的確な解説をなさった。
「会員でなければ会費払いませんよね。だけど、PTAは自分の子どものためではなく、子ども全体のためにやるものですから、親が入っているからどうかは別に、きちんと、子ども全体のために分け隔てなくやるというのが前提です。」

(09:12)入退会自由を2年前から表明している岡山県の西小学校PTA(生徒数1300人)の模様が紹介される。

PTA会長「まずご自分の仕事、子どもたちのことが第一であって、無理なく「今年は1回しか行けなかった」そんなことは全然気にせずに、できるときに来ていただいて、できることをしていただいたら結構です(笑顔)。」

又野尚(漫画家)「すごく羨ましい気持ちになりました。」「じゃぁ、自分の学校に合うかどうかは、私にはわからない。」(それはどういうところですか)「こんなにボランティアの方があつまるか・・・一部の方に集中して、多分、やっちゃうんじゃないかな。これ幸いに、来なくなる人も、結構、うちの学校・・・あるんじゃないかなぁという気がする。」

-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-
ボクの感想:上記は、PTA本来の入退会自由な任意団体という最初のボタンをどのように掛けているかによって生じる悪い例と良い例をを対比させているのだと感じた。

1)強制・自動・全員加入など、入退会自由を説明せず、本人の意思確認をしていない場合
 =>基本的人権、自由権や個人の尊厳を無視することから始まっている
 =>PTA組織の理論が最優先で、組織を守るため委員・役員を強制割り当て
 =>個々人の事情を無視。いかなる理由も(役員や委員を)断る理由にはなりません!
 =>もしくは、個々人の事情を、他人が判断する。
    (プライバシーの公開を強要したり、欠席裁判的手法、くじ引き等)
 =>奉仕の強制。子どもとの時間を搾取。ストレスや疾病の発生
 =>割り当てられた者とそうでない者の間に「不公平感」の発生と助長
 =>受動的活動で組織の不活化。=>更なる締め付けの強化。ポイント制導入など。
 =>逃がさない。逃げる者には子どもを人質に差別。脅迫。
 =>憲法、諸法に違反、抵触していること多い。後ろめたさがつきまとう。
 =>それらを助長、看過している学校(教育行政)への不信。
 =>毎年毎年・・・役員の希望者が更にいなくなる。自縄自縛。
 =>毎年、続けてやりたいとは思わない。役員が入れ替わる。素人運営の弊害。
   ただし、教職員は毎年同じ役員に入っているが、PTA改革に尽力しない。
   学校管理職や教職員はPTAの人権侵害を容認している。軍国主義を目指している?

2)入退会自由を表明し、希望者が希望することを行うPTAの場合。
 =>基本的人権を尊重することから始まっている
 =>個人と子ども、家庭や仕事を優先。PTAの組織維持や強化は二の次。
 =>個々の事情を重視。希望する人がやる。いかなるできない理由も申し出る必要もない。
 =>自ら希望した人が活動するので、不公平感が生じない。または増大しない。
 =>能動的活動で組織が活性化。
 =>逃げ道が用意されている。「入退会自由」。役員の言動も優しくなる。
 =>憲法、諸法に抵触しない。社会規範を遵守できていて気持がいい。
 =>入退会自由を表明しても、加入率94%。

このような対比がなされているのではないかと思った。感情論をできるだけ排して、PTAの過去からの慣習に基づく制度やシステムというものを対比するとよく分かるのではないかなぁと感じた。

そして、又野さんのコメントは、制度的なことではなく、感情的というか、感覚的な内容を示していてタイヘン面白いなぁと思った。又野さんの学校で入退会自由にすると、こんなにボランティアが集まるかどうか不安なのだ。そりゃぁ、それまで強制的に奉仕をさせていたので、自由にすると誰も集まらなくなるのではという不安につながるだろう。でも、一部の人に集中すると仰っているので、誰かやりたい人たちがいるだろうことも示唆されている。

ここでは保護者が、
(A)ボランティアに参加するだろうなぁと思われる保護者グループ と
(B)「これ幸いに、来なくなる人も、結構、あるんじゃないかなぁという気がする」グループ
に分けられるのだが、では、個人個人を思い浮かべているのかなぁというのが疑問。

あの人は絶対(B)。あの人の旦那さんは(A)。いつも文句ばかりいっているあの人は絶対(B)ね。などとなるのだろうか(^^; 漠然とABのグループ分けを論じるのは聞き流してしまうが、改めてコメントを聞くと、具体的調査に基づいてのグループ分けではなく、ただ漠然と保護者の善意を独断で測っているにすぎないのだろうと感じる。

(A)と思われた人はいいかもしれないが、自分はボランティアに行くつもりなのに(B)と思われた人にはタイヘン失礼な話しだ。名誉棄損かも(^^; 
このような分析というか、考察めいたものが正しいかどうかは分からないが、多分、上記(1)の強制加入のPTAが(2)の入退会自由に踏みきれない理由の一つが、又野さんのコメントにあるような気がする。すなわち、会員数が激減するんじゃないか、組織が崩壊するのではという漠然とした恐れ。

もし入退会自由にして、組織が崩壊するようなことになったら、それはそれで、「民意」なんだからいいんじゃないかな。それまで、当該PTAがろくな活動をしてこなかったという証左になろう。
それが分かっているからこそ、入退会自由なんて宣言できないのも大きな理由だろうけど。

世の中にはPTAの無い学校だっていっぱいある。PTAがなくなっても、必要な活動には保護者が賛同し集まると思う。ボクは、保護者のほとんど全員は(A)だと思う、そう信じている。
そのボランティア精神を阻害しているのが、奉仕の強制システムなんだと思う。

付記:

阪神・淡路大震災を機にNPO法が成立し、実に多くのNPO団体が法人格を得ている。法人格を得てはいないボランティア団体も沢山ある。世の中では多くの人々がそのような団体を通してボランティア活動をしている時代になった。自ら望んで、自腹で、なおかつ、現地の人々/社会のために奉仕活動をする体験を持っている人が多くなってきている。NPO法人とPTAの対比をしてみるのも考察の方法かもしれない。

2013年5月23日木曜日

NHK あさイチの 「どう付き合う?イマドキPTA」を見て-その2-

平成25年5月20日月曜日朝放送の、NHK あさイチの 「どう付き合う?イマドキPTA」を見て-その2-

前回の備忘録で、「天下のNHK様がPTA問題を取り上げたのには理由があるのだろうと思う。PTAに係る全ての人々が平穏無事に過ごせているなら、このような番組を制作する必要すらなかっただろう。

人間社会が織りなす「現場」には、何かしらの問題がある。絶対ある。その問題の度合が、天下のNHK様が取り上げるような時代になった、もしくは、社会的な要請から無視できない状態にあって、取り上げざるを得ないことになったのかもしれない。」

と書いた。具体的な内容について、感じたところを備忘録しておく。本日の備忘録は、NHKの報道の端緒部分からの感想が中心。その後は書くのか書かないのかどうなるか、未定。気分次第といったところだな(^^;

NHK あさイチの 「どう付き合う?イマドキPTA」という番組にはNHKが取材した幾人かの「子どもを学校に通わせるお母さん」のいわゆる「生の声」や「証言というニュアンスがが正しいのではないかと思える発言」もあった。

PTA活動を行ってみて「良いまたは良かった」というコメントもあったが、その一方で、

●「役員決め:死ぬ気で逃げる。逃げたい。逃げたい。4月に入ってからずっと気が重い。主婦にとっての季節。主婦の試練。地獄。」という生の声や

●「役員を強制されて、肝心の子どもとの時間がほとんど取れなくなった。」「家庭を犠牲にしてまでPTAってなんだろう?」とのパラドクスや率直な疑問

●「(役員、書記は)月に1回程度の楽な仕事だと言われた。ところが・役員会や校内行事28日間・PTA連合会の会議14日間・地域の祭り・防犯の会合15日間・出張4日間・その他と年間100日以上PTAに時間を費やさざるを得なかった」という詐欺のような目に合ったという証言

●「役員辞退の理由を手紙に書いたら、(本人の同意もなく)クラスの他の方々に公開された」(プライバシー侵害)上に、クジであたったとして、役職を強制された(人権侵害)

●「PTAを退会の意向を示したら、教員から「子どもが集団登校に加われないよ」と言われた(脅迫)」という証言もあった。
(NHKはこの脅迫めいた「仲間外し宣言=いじめますよ宣言」をした教員を告発すべきではないだろうか。このような発言が本当にあったのであろうから、そんな教員には教壇より刑務所がお似合いだと思う。)

さて、先にあげた、PTAが良い・良かったと思われる方々はPTA活動に継続して参加し、何年でもPTA活動を続けられるといいと思う。日本は自由の国だし、任意団体の活動を任意に行うことを規制する法律もない。

ただし、今回の報道でも明らかになった通り、
PTAに強制・自動加入させられた人々の中には、悲しい思いやつらい思いをする人がいることが事実としてあって、自分が良い・良かったという経験をした、あるいはPTAに意義や主義主張を持っているからといって、入会前の団体の説明を怠ったり、入会時に入会届や入会申請書などの意思確認をしなかったり、全員入会していますなどと入会を強制したりしてはならないし、活動や奉仕を強制・強要・割り当てなどはしてはならない。そのようなことがなくなるよう、システムを変更することにも意欲を注いでいただきたい。

換言すると、これまでも現在も、PTAという団体は多くの人を巻き込む団体で、各PTAの実態を知らされずに入会させられた人々の中には、タイヘン苦しい思いや辛い思いや、心身のバランスを崩してしまった人がいる。そんな人が一人も出ないような団体にしなければならないと思う。それは、たまたま単年度だけだからと役員を引き受けた方々だけの責任ではなく、学校に子どもを通わせる保護者の責任もあると思った。ボクもその責任を負う一人だ。

今回のNHKの番組では、PTA会費のことについての言及は少なかったと思う。重要だと思われる言及もあったように思うが、全般(前段)を通しての印象は薄かった。入会時の意思確認をせず会費を徴収するのは、「任意加入」の任意性をどのように調査した結果からできることなのだろうか。
あるいは、公費の給食費と合算で銀行口座から引き落とされるシステムを採る(自校の場合など)は、実質的に断り難いので、問題ではないかなどの切り口はなかった。

また、具体的な活動内容の「スクラップ&ビルド」を行うために、日本国の主権者でありPTAの主権者でもある会員個々の意思・意向を「年度末にアンケート(調査)」するなどして見直すとか、会員個々の自主的な活動を募るとか、という内容には賛同する。

前例踏襲、いや、前例崇拝といったPTAはゼロベースで活動を見直すことをするほうが良いとように思う。ここで、活動の見直しは予算や決算からの見直しも意味することを忘れてはならない。企業に限らず、国や地方公共団体でも、常に費用対効果を考えている。

今回の報道では何も触れられていなかったが、PTAから学校への金品の寄付は、地方財政法などの法令に抵触する場合がある。多くの繰越金を計上している場合は、会費の適正額を見直しても然るべきかもしれない。また、負担金と称して拠出された金銭がどのように使われているか知っているか知っていないか、会員に詳細に報告されているか否か、必要か否かなども切り口としては必要だと思った。もちろん、今回は「初回」だろうから、詰め込みすぎてもいけないのだろうが。

今夜の、結びにしようと思うが・・・

NHKが加藤教授の取材をし放映したのは、加藤教授がPTA問題に詳しいというだけでなく、ご紹介をされておられた「文科省によるPTAの参考規約」にある「自由入会の精神」や「会員になることも、会員に止まることも自覚に基づく個人個人の由由であって、いささかも強制があってはならない。 」ということが、種々様々であろう各単位PTAの本質を左右する第一義の評価軸・分析軸だからではないだろうか。

(今夜は、ずいぶん・・・酔っぱらったなぁ・・・後日、誤字脱字や論旨を訂正しよう)

(^^;

2013年5月22日水曜日

NHK あさイチの 「どう付き合う?イマドキPTA」を見て-その1-

平成25年5月20日月曜日にNHKの「あさイチ」という番組で「どう付き合う?イマドキPTA」と題した番組があった。事前に番組予告されていたものの、ボクは朝の6時半には自宅を出て終日テレビが見られない場所にいた。帰宅後、録画を見た。

まず、公共放送を自認する天下のNHK様がPTA問題を取り上げたのには理由があるのだろうと思う。PTAに係る全ての人々が平穏無事に過ごせているなら、このような番組を制作する必要すらなかっただろう。

人間社会が織りなす「現場」には、何かしらの問題がある。絶対ある。その問題の度合が、天下のNHK様が取り上げるような時代になった、もしくは、社会的な要請から無視できない状態にあって、取り上げざるを得ないことになったのかもしれない。

例えば、相撲。
神代の時代からあるという相撲は神事でもあったそうで、国技を自称されておられることもあってか、NHK様は現代でも長年にわたって、毎年、春場所から始まり冬場所に至るまで、その他を含め多く放映をされておられる。

ところが、相撲協会の不祥事などがあれば、それはそれで問題だとして、公平に取材をし報道をされておられる。是々非々の対応だと思われる。

例えば、自動車。
現代社会にあって、ボクのような田舎ぐらしの人間には欠かせない交通手段。日本企業の技術の粋を集めた国産車によって、ボクの生活は成り立っていると言っても過言ではない。多分、日本国中、いや、世界中の人々の多くが自動車の恩恵を受けていると思う。

ところが、自動車の部品の一つ、または、複数に欠陥があった場合、重大な事故を招く場合があり、そのような事案が発見・発表された時には、NHK様もその旨を報じる。
そのような報道に接して、自動車会社に勤める人々は「俺たちは頑張っているのに、失礼じゃないか!」とは言わない。

さて、PTA。
戦後、GHQによって強制的に導入されたこの組織は、日本国民に民主主義を学ばせるためにも導入されたと聞く。
現在では、日本全国でPTAという組織の会員とされている人々は一千万人?とかの多くいるらしく、過去にPTAに係った人を数えると億単位になるのではないかと思われる。

「やってよかった」「学校のことがわかって良かった」「学校任せにしてはいけない」「(なんとなく)子どものために」など、その活動には過去から一定程度の成果や社会的貢献や個人の幸せを見出せるのかもしれない。

ところが、「やらなきゃよかった」「義務と強制で苦痛」「憂鬱」「地獄」「PTA利権はご勘弁」などという人もいるのは事実だ。

自動車の例をあげたが、順風満帆に走っている場合は、誰も文句はない。ところが、一見、何も問題ない便利なユニットやシステムであっても、排気ガスの問題や運転者によっては凶器になったり、ボタンを掛け違えれば人を不幸にする場合があることもわかってきた。

PTAも同じだ。マスコミが取り上げるには、それなりの(昔からあったのだろう)問題があるという社会認識が、今や、NHK様もそれを包み隠せない次元にまで来たということだと思う。

神代の代の力士には想像だにできなかったであろうインターネットの普及もあり、それまで露見しなかったPTA問題を社会で共有し、改善に向けての歯車に拍車をかける時代の要請があったことと推測している。

その拍車とは、これも時代に合わせて、馬力ではなく、自動車のエンジンのように爆発的なものになるよう期待したい。

◆50年ほど昔には、「赤紙」という戦争へ行きなさいという国家らからの命令書「招集礼状」があった。戦争時の日本には基本的人権などなかった。教育の中立性と聞くが、実際の教育現場で行われているPTAへの強制・自動加入入会システムは、戦時中の軍国主義を彷彿とさせる。

◆保護者の自由意思を優先、確認せず、全員、子どもの入学をもってPTA会員とするシステムを容認・看過している学校管理職、教育委員会、文科省は、軍国主義の再来を願っているのだろうか。それとも、軍国主義を崇拝しているのだろうか。

◆自校のPTAから比べれば、戦時中のほうがよかったかもしれない。自校のPTAでは赤紙一枚ないのだから。


NHK様が報道された 「どう付き合う?イマドキPTA」を見ての具体的な感想は、後日に備忘録したい。

2013年5月19日日曜日

非加入届を提出したら・・・

非加入届を提出したら・・・

非加入届を受け取ったという連絡があったことは以前の記事(非加入届を出した経緯-その2-の文末)で書いたが、その電話連絡は教頭先生より、平日の夕方に拙宅への電話だった。

ボクは自宅外で働いているので、病気や特別な理由がなければ、平日の夕方に自宅に居ることはない。ということで、教頭先生からの電話は妻が受けた。

「非加入届を受け取った。PTA会長に渡した。PTA会長が話したいという意向なので、貴個人情報である電話番号を教えていいか。」というような問い合わせであったそうだ。
妻は「主人から返事させます」と返答した。

後日、教頭先生に電話をした。「個人情報を任意団体に教えないでください。」と伝えたところ、教頭先生から「PTA会長が自分の電話番号を教えてもいいと言っています」と言われた。ボクは、「電話はお互いの時間を合わせないといけない。忙しいので、PTA会長が何か仰りたいことがあれば、お手紙をくださればいい。」と返答した。

PTA会長様は男性で、恐らく日々の職業をもっておられる方だと思う。ボクは日本社会の底辺を這いずり回っている身の上でもあるし、お互いの時間を合わせて電話だ面談だと、時間を合わせるのはお互いに難しいのではないだろうか。

手紙なら、子どもが毎日学校へ持ち帰りする「連絡袋」に入れてくれればいいし、お互いの読める時間に読めばいいので便利だと思う。何より、言った言わない、聞いた聞いてないなどの水掛け論がなくなり、時間の節約になる。文字はこの地球上で(たぶん)人類だけが持つ知的財産だ。
そして、お互いに、、、になった時の証拠にもなる。

ボクの個人的な推測だが、、、

全員加入、強制加入、自動加入、などの名称を問わず、初めての、もしくは、その存在を秘匿したいであろう非加入者・退会者が出現した時には、組織側はある程度の戸惑いや同調圧力を強めるのではないだろうか。

まずは、「お考えを詳しく聞きたい」「是非、直接会って話したいことがある」などと言ってくるかもしれない。そして、あの手この手で翻意を促すことも考えるだろう。脅したり?すかしたり?一定程度の説得を試みて、それでもダメなら法的根拠のないPTAに「入らない」と主張している大人を強制的に加入させることはできないので、組織側は諦めるしかない。

そうなった場合に、組織側が考えるのは、非会員の扱いをどうしたらいいかということだろう。
非会員が【のうのう】としていると、次々と非会員が増えて、会員数が減少し、組織率が低くなり、引いては組織の維持が困難になるのでないか=>ただでさえ、役員のなり手がなく、毎年毎年、次年度役員を決めるのに苦労し、一子一役や一人一役のノルマを達成していない≒事情があるかもしれない世帯から、引き受けてくれそうな人(PAT役員のなんたるかをよく知らない人も多い)を推薦制度などという名のもとに引っ張り出してこなくてはならない現状がさらに窮地に追いやられる・・・などと考えてもおかしくない。

実際に、(ネットでいろいろ検索していみたりしたことも含めると)、それまでPTAにあまり関心のなかった保護者がヒトタビ役員になった場合、右も左もわからないこともあってか、とりあえず前例を踏襲することから始め、何とか組織を維持しようとする防衛本能のような心理が働くらしい。

そうなると、目的が組織の維持優先となり、組織を構成する会員各個人の基本的人権や個人の尊厳が軽視され、○○●●個人にとってはトホホなことになってしまう○○●●

そんなふうに考えると、非会員の存在を隠匿するということが起こり得る。非会員はどちらかというとPTAにかかわりたくないと思っている人が多いだろうから、「私はPTAに入ってません!」と宣伝して回る人も少ないと思われる。組織としては、全員加入しているとして活動を進めたほうがいいと思うかもしれない。

また、任意加入の団体に、任意に加入しない人が出れば、それまで強制的・自動的に加入させられ会費を引き落とされてきた人々は、金銭面や労働面で不公平と感じることもあるかもしれない。

自分たちの会費で印刷されたプリントを、一円も負担していない非加入者に配られるの?それって不公平じゃない?ってな感じだ。このような感情が湧き起こるかもしれないことは理解できる。もともと、ボランティア精神があって自主的に入会した人でないからだ。

ボクは自主的にボランティア活動をしている。交通費、宿泊費、食費などすべて自腹で、現地の人々のために、もちろん無償で奉仕活動をする。時にはお土産と称してお菓子なども持参したりする。子どもたちにお土産のお菓子を配るときに、「君のお父さんあお母さんは、ボクの所属する団体の会員で会費を払ってくれてるのかな?えっ違うんだぁ。それじゃぁお菓子はあげられないね。」なぁ-んてことは一切ない。全員に配る。

もし、某PTAが災害を被った村にボランティアに赴いたとしよう。そこで寒くて凍えている親子に出会ったら、まず、なんて話しかけるんだろう。

「あなたはPTAの会員ですか?」

 そんな笑えない話を考えていたら、学校長とPTA会長からそれぞれ封筒に入ったお手紙を子どもが持ち帰った(平成25年4月24日)。

PTA会長の手紙は驚愕すべき”スカタン”なものだった。そう、脅迫といっていいかもしれないスカタンな内容を含んでいた!

(つづく)

2013年5月16日木曜日

アカウンタビリティーとコンプライアンス-その2-総会案内と委任状

先日、子どもが「PTA総会の案内」の紙切れを持ち帰った。かわいいもので、お父さんかお母さん宛のお手紙だということは分かっているようだ(^^)

さて、その紙切れは1枚だけ、表面だけの印刷で(裏面は白紙)、表の下三分の一が委任状となっていた。

はてさて、ボクの知る常識では、総会の案内は一枚ペラでも構わないかもしれないが、委任状は総会資料と一緒に送ってくるのが常識だと思っている。上場会社の株式を持っている人ならわかると思うが、株主総会前には、総会資料と書面票決葉書(兼)委任葉書みたいなのが送られてくる。

総会資料の冊子には、社長の挨拶やら、今年度の業績の推移やらが書いてあり、審議事項の会計報告も公認会計士が作っているのだろう、企業会計報告様式に則って、細かい数字が所狭しと並んで知るし、各項目が丁寧に説明されている。

アカウンタビリティーの語源だと思われる”account”という単語は、会計や計算書という意味があって、会計報告をするには1円単位までの領収書とそれらが何故必要だったか、どのような目的の金銭であったかによって計上される勘定科目が変わってくるかもしれないし、詳しい説明をしないといけませんねということから、アカウンタビリティーというのは説明責任と訳されるようになった(とボクは思っている)。

◆子どもが持ち帰ったPTA総会の案内を見てみると、総会の日時場所、議案名が示してある。
日時 : ○月○日、○時○分より(平日の昼間)
場所 : ○○小学校講堂
議題 : 昨年度の活動報告について
      昨年度の決算報告について
      新年度の活動計画について
      新年度の予算について

議題/議案名は一言一句正確ではないが、この4行が書いてあった。

◆「総会に出席できない人は委任状を提出してください。」との案内文があり、
 その委任状はというと、一言一句正確ではないが、こんな感じだ。
  「総会の議決権一切を総会の議長に委任します。総会の議決には従います。」
  「年月日、子どもの氏名、保護者の氏名・印」

◆誰も問題を感じなかったのだろうか?

  問題なのは、紙切れ一枚だけだということ。
  

◆念のため、書いておくが、どこかのボランティア団体のように、「議案内容はweb上で公開しています。ご自身でダウンロードしてください」 なんてことはない。全くの紙切れ一枚だけだ。

総会の議案の内容が何も示されていないのに、どうして自分の投票する権利(議決権)を委任できるんだろうか?それは、議決権の放棄という意味か。

組織側も、何も資料を示さず、委任状を配るとは、どんな神経をしているのか疑わしい。
これでは、目をつぶって白紙委任してくれ、というのと同じだ。平日の昼間にPTA総会に出席するなんてのは、PTAの役員と学級委員とそのお友達数人程度しかいない。(だろう、たぶん)

ボクが知る一般的な強制・自動加入のPTAの総会なんぞは、委任状で成立、定足数を確認した途端に、議決する必要もないほど委任状があって、しゃんしゃん総会は決定しているというものだ。

だからといって、事前に総会資料を示さないで委任状を配るというのは、ブラマヨを連れてきて欲しいくらいだ 「どうかしてるぜ!

平日の昼間に参加できない保護者も多くいるのだから、議案内容は文書でしか判断できない。だからこそ、組織側は甘えず、襟を正す意味でも、総会資料を事前に配布し、重箱の隅をつつかれても説明できるだけの資料を、細大漏らさず報告書や計画書にまとめて会員に事前に提示する義務があると思う。もちろん、組織側は最後の1円まで詳細に報告する義務がある。

その資料に添付して「会員は書面票決をすることができます。また、委任することも可能です。」とでも書いて、
  • 第1号議案 活動報告(案)の件  賛成-反対
  • 第2号議案 決算報告(案)の件  賛成-反対
  • 第3号議案 活動計画(案)の件  賛成-反対
  • 第4号議案 収支予算(案)の件  賛成-反対

 
 
 総会の議決権を(        )に委任します。
 
 年月日 子どもの名前 保護者の名前

というふうにするのが当たり前だと思う。(新入学児童の保護者は昨年度のことについて票決したり委任したりすることができるのだろうか。組織の内規的に可能としている場合でも、実際は昨年度の活動や予算がどのように使われたのか、学校に兄や姉がいなかった新入学児童の保護者にはよほど情報通でないとわかりっこない。)

入会時の説明はしない。しかも、入学を以て全員、強制・自動入会としていると、人間というか会員の権利を軽視する傾向になるのだろうか。

学級委員の選出では、平日の昼間に出席するか委任するかの二択しか認めず、出席してプライバシーを暴露しないと役に当たる可能性があると、脅しのような文句まで使っていたり、今度は、総会資料を明示せず、出席するか白紙委任するかしか選択肢を与えない。

これでは、社会教育関係団体などの、まともな団体という定義を遙かに下回っているとしか考えられない。

もはや、金さえ引き落とせれば、あとは自由にやらせて貰いまっせ集団だ。

こんな総会案内しか出来ない団体は、他人様のお金を集めるべきではない。杜撰としかいいようのない総会しか開けないのだから。

まぁ、事前の指摘にもかかわらず、入退会自由を隠蔽し、「入会申込書をとらず」、文書による説明は「不実の告知」だとか「不利益事実の不告知」という指摘が入ることを恐れてだろうか、口頭での説明で逃れようとしているような団体だ。それはそれで、「不作為の作為」という立派な?役員たるものの義務違反だとは分かってないだろうし、こんな総会案内しかできないのも無理はない。最初から隠蔽だから、総会の内容も隠蔽したいのだろうか、と疑ってしまうのはボクだけだろうか。

アカウンタビリティーについては、既に述べた。
では、コンプライアンスという観点からはというと、「社内規程・マニュアル・倫理・、どういうルールを設定して行くか・どのように運用して行くかを考え、その環境の整備までを含んでいる」が、総会のルールが全く欠如しているか、社会常識から逸脱しているのが、自校のPTAだとしか分析できない。

追記:(2013/05/17)-*-*-*-*-*-

このような総会案内・委任状の運用方法を残して来たのは、それまでの役員(学校管理職を含む)や会員であると思う。毎年新任の役員が前例を踏襲するのが精一杯だということも一定程度は理解できる。じゃぁ、いつ改善されるの?と思うと、前例追認、前例踏襲を続ける限り、いつまで経っても何も改善されない。

一方、時代はますます女性の社会進出がすすみ、ライフスタイルの多様化が進み、自ら希望してPTAに時間を割きたいと願う人は少なくなっているだろうし、こんな運営ばかり続けているPTAなら、尚更、やりたくないと思うのではないだろうか。

個人の自由意志を尊重する、個人の権利を尊重する(侵害しない)など、改善する方向に舵を切らなければ、ますます組織的な締め付けや強制の度合いを強くしていかないと組織が運営できない・・・と、より反社会的な団体になっていくような懸念を抱く。

同日(2013/05/17)追記:-*-*-*-*-*-

PTAは準拠法をもたないので各単位PTAによって運営が異なることがあり、疑問を呈する自校PTAの総会案内などとなる。では、準拠法がある場合はどのようになり、一般社会常識や公序良俗を形成するのはどのようなパーツがあるのか、その一端なりとも調べてみた。

●NPO法(特定非営利活動促進法)関係
会員に総会の通知を送るのですが、どのような事項を知らせなくてはならないのですか。(出典 http://www.npoweb.jp/modules/faq/index.php?content_id=42より抜粋)

  最低限、日時や場所、議事の内容について正確に通知することが必要です。その他、委任や書面表決ができるよう定款に書いてある場合は、総会のお知らせ文や議案書などの資料とともに、出欠欄、委任状、または書面表決の欄をもうけた返信用紙(ハガキ)を送ることが一般的です。具体的には、欠席の場合には、誰に委任するか(出席する他の社員や議長)、また書面表決する場合は、議案の番号の横に賛成・反対の印をつけることによって表決するというものです。
  NPO法では、定款変更、合併、解散については総会で決議すると定めていますが、その他については、それぞれの団体の定款で定めることになっています。また、NPO法30条では、民法第60条から第66条までの規定をNPO法人の管理について準用する、と定めてあります。
  民法第62条には、総会の招集は少なくとも5日前にその会議の目的たる事項を示して行うこと、また第64条には、あらかじめ通知をした事項についてのみ総会で決議できる、とあります。

●一般社団・財団法人法 より(適宜、略す)
(社員総会の招集の決定)
第三十八条  理事(略)は、社員総会を招集する場合には、次に掲げる事項を定めなければならない。
一  社員総会の日時及び場所
二  社員総会の目的である事項があるときは、当該事項
三  社員総会に出席しない社員が書面によって議決権を行使することができることとするときは、その旨
四  社員総会に出席しない社員が電磁的方法によって議決権を行使することができることとするときは、その旨
五  以下略

(社員総会の招集の通知)
第三十九条  社員総会を招集するには、理事は、社員総会の日の一週間(略)前までに、社員に対してその通知を発しなければならない。ただし、前条第一項第三号又は第四号に掲げる事項を定めた場合には、社員総会の日の二週間前までにその通知を発しなければならない。
2  次に掲げる場合には、前項の通知は、書面でしなければならない。
一  前条第一項第三号又は第四号に掲げる事項を定めた場合
二  一般社団法人が理事会設置一般社団法人である場合
3  理事は、前項の書面による通知の発出に代えて、政令で定めるところにより、社員の承諾を得て、電磁的方法により通知を発することができる。この場合において、当該理事は、同項の書面による通知を発したものとみなす。
4  前二項の通知には、前条第一項各号に掲げる事項を記載し、又は記録しなければならない。

(招集手続の省略)
第四十条  前条の規定にかかわらず、社員総会は、社員の全員の同意があるときは、招集の手続を経ることなく開催することができる。ただし、第三十八条第一項第三号又は第四号に掲げる事項を定めた場合は、この限りでない。

社員総会参考書類及び議決権行使書面の交付等
第四十一条  理事は、第三十八条第一項第三号に掲げる事項を定めた場合には、第三十九条第一項の通知に際して、法務省令で定めるところにより、社員に対し、議決権の行使について参考となるべき事項を記載した書類(以下この款において「社員総会参考書類」という。)及び社員が議決権を行使するための書面(以下この款において「議決権行使書面」という。)を交付しなければならない。
2  理事は、第三十九条第三項の承諾をした社員に対し同項の電磁的方法による通知を発するときは、前項の規定による社員総会参考書類及び議決権行使書面の交付に代えて、これらの書類に記載すべき事項を電磁的方法により提供することができる。ただし、社員の請求があったときは、これらの書類を当該社員に交付しなければならない。
第四十二条  理事は、第三十八条第一項第四号に掲げる事項を定めた場合には、第三十九条第一項の通知に際して、法務省令で定めるところにより、社員に対し、社員総会参考書類を交付しなければならない。
2  理事は、第三十九条第三項の承諾をした社員に対し同項の電磁的方法による通知を発するときは、前項の規定による社員総会参考書類の交付に代えて、当該社員総会参考書類に記載すべき事項を電磁的方法により提供することができる。ただし、社員の請求があったときは、社員総会参考書類を当該社員に交付しなければならない。
3  理事は、第一項に規定する場合には、第三十九条第三項の承諾をした社員に対する同項の電磁的方法による通知に際して、法務省令で定めるところにより、社員に対し、議決権行使書面に記載すべき事項を当該電磁的方法により提供しなければならない。
4  理事は、第一項に規定する場合において、第三十九条第三項の承諾をしていない社員から社員総会の日の一週間前までに議決権行使書面に記載すべき事項の電磁的方法による提供の請求があったときは、法務省令で定めるところにより、直ちに、当該社員に対し、当該事項を電磁的方法により提供しなければならない。

会社法第四百三十七条(計算書類等の株主への提供)より抜粋
 取締役会設置会社においては、取締役は、定時株主総会の招集の通知に際して、法務省令で定めるところにより、株主に対し、前条第三項の承認を受けた計算書類及び事業報告(同条第一項又は第二項の規定の適用がある場合にあっては、監査報告又は会計監査報告を含む。)を提供しなければならない。【会社法施行規則第116条、同117条、同133条】




NHKがPTA関連内容を5月20日「あさイチ」で放映(予定)


NHKがPTA関連内容を

5月20日(月)午前8時15分からの「あさイチ」で放映(予定)

NHK放送予告より(http://www.nhk.or.jp/asaichi/2013/05/20/01.html

「どう付き合う?イマドキPTA」

「新年度がスタートし、子どもを学校に通わせる多くの親が関わるのが「PTA」。役員や委員を前向きに引き受け、積極的に参加する人がいる一方、「子どもが小さいので、できれば役員はやりたくない」「仕事や親の介護があるからできない」と悩む人や、「そもそも決め方がおかしい」「意味の分からない活動がある」など疑問や不満を抱く人も多くいます。そんな中、入退会自由・委員廃止・ボランティア制など、これまでの常識を覆すやり方を取り入れたPTAも登場。
共働きや介護などで忙しい親世代が増え、学校における親たちの役割も変わる中、PTAはどうあるべきなのか。全国から集めた体験談や意見、アイデアを交えながら、PTAとの付き合い方を考えます。」



取材過程から、いろいろウワサを小耳に挟みますが、実際の放映はどのようになるのか、楽しみ。
ただ、当日は、朝6時半には自宅を出て、終日外出なので、録画して見ることになりそう。



2013年5月14日火曜日

PL法、アカウンタビリティーとコンプライアンス-その1-

PL法、アカウンタビリティーとコンプライアンス-その1-

(どこかの国で)、ペットの猫か犬をお風呂に入れた後、体を乾かすのに電子レンジで「チン」したら死んじゃった(T_T)電子レンジの取り扱い説明書にはペットをチンしたらどうなるか書いてなかったから製造した企業が悪い!として億単位の損害賠償請求がなされた・・・ってな珍ニュースに接したことがある(^^;

いわゆるPL法=製造物責任法(平成6年7月1日に法律第85号)が施行されて以来、電化製品などの製造物には取扱説明書や別紙などを含めて、兎にも角にも「注意事項」「注意喚起事項」が所狭しと書かれるようになった。

現在の電子レンジの取扱説明書に「猫を入れてはいけません」などと書かれているかどうかは知らないが、製造物には「危ない」「注意してね」というページが必ず含まれている時代になった。
法律の施行当初は、「そんな注意事項を書きたてると製品が非常に危ないものかのような誤解を招く」などとして、注意書きは小さく、少なく、目立たないように・・・と心がけてはどうかと(上司に)言われたこともあった。

PL法に限らず、企業や団体には様々な法令や通達などが関係している。しかも、それらの法令等は度々改正され、以前は合法だったものが、ある日を境に、違法とされることもしばしばだ。諸法令が改正・改定される度に説明書等を書き換えるのは時間も費用もかかるので、まぁいいかっ!で過ごしてしまうこともあるようだ。

そんな安易な、法令に背く対応をし続けいたことが露見すると、マスコミ各社のカメラの前で「申し訳ございませんでした」と社長が謝罪会見を開かないといけないことになり、社会的信用の失墜は免れず、企業や団体は倒産や解散の危機に瀕する事態になる。

ある有名な高級料理店が、客に出した料理が手つかずで厨房に戻ってきたので、別の客に提供したことがバレて、結果、店を閉めることになったという報道も見聞した。
そんなこんなやあんなことや色々なことがって、今やコンプライアンスは企業や団体にとって当たり前の用語となっている。以下にコンプライアンスの解説を引用する。

◆コンプライアンス(出典:http://www.internalcontrol-navi.com/request/compliance/outline.html
 コンプライアンスを直訳すると『法令遵守』となり、文字通り解釈するなら、『法令違反をしないこと』つまり『法律や条例を遵守すること』となります。しかしながら、この様な意味だけならば、コンプライアンスなどとわざわざ取り上げる必要もなく、誰でもわかっていることです。
 コンプライアンスが重要視されるのは、その意味に『法令遵守』も含まれますが、法令だけに留まらず、社内規程・マニュアル・企業倫理・社会貢献の遵守、更に企業リスクを回避するために、どういうルールを設定して行くか・どのように運用して行くかを考え、その環境の整備までを含んでいるからです。
-*-*-*-*-*-引用終わり-*-*-*-*-*-

ボクは、このコンプライアンス(法令順守、社会規範遵守)は、どちらかというと企業や団体「内部」のことであって、内部の反対=対外的に「私たちの企業(団体)はどのようにしているか、このようにしていますよ、ということを示す対の用語として、「アカウンタビリティー」があると認識している。
以下に、ウィキペディアより、アカウンタビリティーの説明を引用する。

◆説明責任(せつめいせきにん、アカウンタビリティー、英:Accountability)とは、政府・企業・団体・政治家・官僚などの、社会に影響力を及ぼす組織で権限を行使する者が、株主や従業員(従業者)、国民といった直接的関係をもつ者だけでなく、消費者、取引業者、銀行、地域住民など、間接的関わりをもつすべての人・組織(ステークホルダー:stakeholder、利害関係者)にその活動や権限行使の予定、内容、結果等の報告をする必要があるとする考えをいう。
-*-*-*-*-*-引用終わり-*-*-*-*-*-

ボクの考えをまとめてみる。

社会に影響力を及ぼす組織は、法令や社会規範・倫理を守り、また、それらが有効に運用・実施されるように組織内で環境整備する義務があり、当該組織が直接的、間接的関わりをもつすべての人・組織(ステークホルダー:stakeholder、利害関係者)にその活動や権限行使の予定、内容、結果等の報告をする必要がある。

さて、自校PTAは1000人を超える児童を有する公立小学校内で活動をする団体だ。
このような、コンプライアンスやアカウンタビリティーの観点からどのように分析できるだろうか。
(PL法、アカウンタビリティーとコンプライアンス-その2-に続く・・・かも)

2013年5月6日月曜日

PTA非加入届=2013年4月提出=

入会届も出した覚えのない団体から、嫌なら退会届を出せと言われて・・・
これがストリートなら、「なめてんのかこらぁ〰」という声が聞こえてきそうな感じになるが、入ってもないのに退会届はおかしいだろうということで、非加入届とした。

非加入届の文面で悩むのは時間の無駄だし、PTAのことで時間や労力を使うのも少し悔しいのもあったし、何より、下記の「それは、私の良心に反することです」という一文が気に入ったのもあって、下記のように書いた。

尚、本文の作成にあたっては、主に二つのサイトに掲載されている文面を合体させました。此処に記し感謝申し上げます。

◆Think!PTA!素晴らしいPTAと修羅場らしいPTA
http://www.think-pta.com/model_sentenceis/hikanyu_bunsho2.html
◆とどくとおもうII
http://todoct.blog85.fc2.com/blog-entry-4358.html

-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*

○○○小学校長 PTA会長○○○様
PTA非加入届け

  PTAという団体は、自主独立を本旨とする任意の社会教育関連団体です。
 団体として自主独立を本旨とする以上、団体を構成する個々の会員も自主独立を本旨とする、と認識されます。
 したがって、PTAに加入する意思表明こそがなされるべきことだと思われます。
 ところが、現状では、保護者は、子どもの入学・在学に伴って半強制的にあるいは自動的に加入することが慣例となっています。これは本末転倒であり、早急に是正されるべき根本的問題だと考えられます。

  1.PTAが任意加入であり、入退会は保護者の意思表明が優先され、
    児童・生徒の入学、転入時に、

    全ての保護者にこれが周知されること。

  2.PTAの役員決めや仕事の分担をする際、
    「自主的に、希望する人に」が徹底され、
    これを実現するために、PTA自体も、
    組織のあり方や活動内容の見直しがなされること。

 少なくとも以上の二点が確立されることによって現状が改善されなければ、PTA会員となった私自身が、他の方の権利や自由を不当に侵害することになるでしょう。


  それは私の良心に反することです。

 逆に、現状が改善されて上記の二点が確立されたならば、日々の生活に追われる弱い立場の私でも、PTA活動に参加できると思います。

 今回、私はPTAに加入しませんが、PTAに加入しない保護者の児童・生徒が、そのことを理由に、学校の教育活動に参加することを非難されたり、学校教育に関する配布物を受け取れなかったりするならば、それはいわれの無い差別であり教育の場にふさわしくないと考えます。
 学校長はじめPTA役員の皆様におかれましては、そのような差別がないように、これからも教育的配慮を優先されることをお願いします。

なお、私は──
 ・学校や地域において、子どもの学びと育ちに貢献できる機会があれば、
  出来る範囲で参加してまいります。
  ごく単純に、学校を応援したいと願っています。
 ・PTAが全児童を対象とする事業を行う際、趣旨に賛同できましたら、
  実費を負担することにやぶさかではありません。
入学式の平成25年4月○日
1年○組○○○○保護者○○銀○○印
 
 

2013年5月3日金曜日

非加入届を出した経緯(3)

非加入届を出した経緯(3)

非加入届を出すのには、勇気というか、前回の記事でも書いた踏ん切りが必要だった。
入学式があったが、そこでも重要と思えることがあったので、備忘録しておく。

◆入学式でのPTA会長挨拶の中で「保護者の皆様も今日からPTA会員となります。」
(どうして?入会申込書も書いてないよ!)

◆入学式を終えて、児童と保護者は各教室に移動した。
 要望書を出したからだろうか、PTA会長様が各教室にご説明来られた。
 記憶している概要を備忘録しておく。

1)入学説明会で説明できなかった。ごめんね。

2)PTA活動の説明
  ・卒業証書は特別な和紙を使っている。その和紙の費用をPTA会費から拠出している。
  ・集団登校はPTAで実施している。(学校じゃないの???)
  ・運動会で・・・(よく覚えていない)

3)PTA会員の義務:一人一役をやってもらう

4)PTA会計が給食費と合算で引き落としの言い訳
 児童1000人以上に対して、会計担当者が2名しかいない。
 振り込んでもらうと、保護者に振込手数料がかかる。

そんな程度を1枚の文書を配布するでもなく、口頭での説明だった。
経緯(2)で入学式後にPTA会長と話したと書いたがそれは以下の質疑応答だった。

◆質疑応答の時間がどうかもわからなかったが、一通りの説明が終わったようなので

銀:「はい!(挙手)。PTAは入退会自由の任意団体です。入会時の意思確認、入会申込書はとら  
  ないのですか。」
会長:「集団登校はPTAが実施している。」(日本語が通じていない)

銀:「保護者はPTAの奴隷ではない。基本的人権があり、入退会自由な任意団体に入るか入らな
  いかを選択する権利がある。入会時の意思確認、入会申込書はとらないのですか。」
会長:「集団登校はPTAが実施している活動で・・・」
銀:「東北大震災の被災地に寄付をするからといって、泥棒をしていいとはならないのと同じよう
  に、PTAが良い活動をしているからといって、入会時の意思確認をしないでいいことにはならな 
  い。入会申込書はとらないのですか。」
会長:「確かに、入退会自由だが・・・・・、どうしても嫌なら退会届を出せばいい。」
銀:「わかりまた。」(これ以上の質疑応答は他の保護者やクラスでの担任の先生よりの説明時間
   に支障を来してはいけないと思い自粛した。)

この会話は、出席した全保護者と担任の先生が聞いていた。
そうそう、このPTAの説明時間は当日の式次第に括弧書きで(PTA役員さんから説明があります)と書いてあった。それは、ボクが要望したものではなく、PTA側から要望したのか学校側からPTAに要望したのか、ボクには知る由もないが、学校長が許可もしくは認可した式次第であったことは間違いないことだと思う。

ボクは文書での説明を求めたが、文書を配布せず、口頭での説明であった。様々な事情等で当該日時に教室に出席できなかった保護者には、PTAに関してどのような説明がなされるのだろうか。

子どもたちの机の上には、教科書やプリントなどが山積みになっていた。学校側からの説明事項はほとんど全てが文書で配布されており、担任の先生はそれに基づき説明をしていた。欠席した保護者にも子どもが持ち帰る文書によってほとんどのことはわかるようになっていたと思う。PTAを除いては。

このような経緯から「非加入届」を提出するに至った。

一般に、PTAに入らないと子どもがイジメられたりしないかと心配になる。ボクも一人の親として同じような感情はある。しかし、多少のことがあっても、我が子が相手を思いやることができない子になるよりはマシだろうと思う。また、一人だけPTAに入らないと白い目で見られるとか、という感情もあるらしいが、魚が死んだ目で見る奴らは人間失格なので、気にはしない。そんな奴らがもしいたとしたら、別に友達にならなくてもいいし、かかわりあいたくない人種だ。

何より、子どもに正しい道を示すのが親の使命だ。

追記:しかし酷いPTA会長だ。まぁ人にも拠るのだろうが、入学式の挨拶で皆さん会員になりますと一方的に宣言をしたかと思えば、その舌先も乾かないうちに、「嫌なら退会届を出せ」なんて、同じ口が言っているのか我が耳を疑うような話しだ。

だいたい、入会届も出していないのに、退会届なんてだすわけないやろ。何考えてんねん(大阪弁)。